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「高速夜行バス」が意外と気に入ってしまった話

2022年11月9日

今年になってから、
親戚のところに行くために
高速の夜行バスに乗る機会が何度かありました。

子供が小さいうちの遠出は
オムツにミルクに絵本…と荷物もかさばるため
車が多かったのですが、

子供が大きくなってきて
新幹線や飛行機も使うようになり、

さらに子供が大きくなって、
一緒に出かけることが減り、
また、自分ひとりでも
気軽に出かけることができるようになったら、
片道新幹線、片道は夜行バス、なんて節約術が身につきました。

 

高速夜行バスのデメリットを、メリットに転換してみる

飛行機よりもバスのシートは
「硬そうだし」
「揺れそうだし」
「若い子が帰省とかで乗るものなんじゃないの?」という
偏見のような、思い込みのようなイメージもあったのですが、

実際に乗ってみたら、
予想通りのデメリットありつつも、
思いのほかメリットがたくさんあって、すっかりはまってしまいました。

そこで、高速夜行バスの
個人的メリットとデメリットをご紹介したいと思います。

高速夜行バス・メリット

仕事のあとそのまま向かうことができる

なんじゃそりゃ?と言われそうですが、
これ、一見キツいようで、
働くママ的にはすごくイイ!のです。

例えば、どうしても午前中に目的地に着きたいとき。
前夜、疲れて帰り、
留守の間の家事をして、
翌朝は、暗いうちから家族の朝食を作っておき、
半分寝ぼけたような状態で向かう。

このストレスがすべてなくなります。

 

出発時間の遅さ・到着時間の早さ

出発が夜遅く、到着が朝早いのが
高速夜行バスのデメリットでもあり、メリットでもあります。

乗車時間まで時間があるときや、
到着時間から予定まで時間があるときは、
銭湯や、早朝営業のスパなどで汗を流すこともできました。

帰路にできるだけ遅い便を選べば
新幹線や飛行機より、遅くまで現地にいることができる可能性もあります。

 

行った先以外の「お土産」が買えるかも

深夜、かつ、とても短い時間ですが
15分ほどのトイレ休憩が何度かあります。

深夜まで土産物店が空いている
大きなインターチェンジに停車したときには
行った先とは違うお土産を買えることがあります。

乗車してから「あっ、買い忘れた!」
というお土産を買い足すこともでき、便利。
(ただし、ゆっくりショッピングの時間はないです。猛ダッシュで買いましょう)

寝てしまうとその機会はないですが、
まあ、寝てしまったなら、それはそれで良いと…

 

空港に行くよりラク

これも、私の場合限定ですが、
空港に行くまでのアクセスは
1時間以上で乗り換えあり、
到着空港からのアクセスも1時間以上。

飛行機に乗るなら、
搭乗時間よりかなり余裕を持って
到着しないと不安だし…
で、ちょっと面倒くさい。

そういう意味で、
東京駅や新宿駅前から
発着してくれるバスは、とても気楽でした。

 

充電ができる!

バスにもよりますが、
長距離の夜行バスの場合、
各席にコンセントかUSBの充電口がついているバスが多いです。
これは、翌日のことを考えると、超ありがたいサービス。

夜行バスの中では
スマホをいじったりはできませんが、
一部の昼行の長距離バスは
スマホをいじったり、wifiがつながるバスなら
映画を見たりもできるようですね。

 

思いがけずデジタルデトックス

これも、
はあ?と思われそうですが、

強制的に「さあ、暗くします」
「今から寝てください」なんて機会は、
大人になってめったにありませんでした。
思い浮かぶのは、入院くらいですかね。

「乗るとすぐ消灯?」
「寝入りばなに、スマホもダメ、本も読めない?」と
これが一番抵抗があったのですが、
私には思いがけない「デジタルデトックス」になりました。

けっこう、頭の中がすっきりしますよ。

また、バスの振動音が私には思いのほか心地よく、
子供の頃、車で遠出の家族旅行した時って、こんなだったな…と

妙にノスタルジックな気持ちにもなれたのでした。

 

安い!とにかくリーズナブル。

なんといってもこれに尽きます。

数度乗ってみて、
おススメしたいのは「最安のバスを選ばないこと」。

もちろん、せっかくなら
1円でも安いほうがいいですが…

同じ行路のバスの中で
激安タイプ!でなく、
「ちょっといいやつ」を選ぶと、ラグジュアリーさが違います。
かなりゆったりと行くことができる気がします。

たとえば、
街を走る路線バスや、
一般的な観光バスのような
4列(2列・2列)というシートではなく、

「3列独立」「2列独立」といった
シートタイプのバスがあります。
席と席の間にスペースがあるのです。

※つまり
4列「■■(通路)■■」でなく
3列「■(通路)■(通路)■」
あるいは「■(通路)■ ■」

全席が独立シート型のバス、
前側だけが独立シートで、後方は4列などがあります。

また、私は乗ったことはないですが
東京←→東海や関西方面行のバスなら
「完全個室」タイプもあるらしいです。

その他、カーテンや薄いパネルで
仕切りがあるかどうかも、快適さや
時節柄の安心感が違います。

 

高速夜行バスのデメリット

 

もちろん、デメリットもあります。
ひとつでも「これは絶対嫌!」が
ある場合は、新幹線や飛行機を使うほうが、いいです。

 

飲食できない

ペットボトルの飲み物程度は大丈夫ですが、
「食べる」ほうは基本NGです。

乗車時に「飲食はお控えください」
「匂いの強いものの飲食はご遠慮ください」的なアナウンスが流れます。

バスによって、NG範囲がまちまちな印象でしたが、
夜行バスは消灯してしまうと
あとは振動音のみ、ひたすら静かなので、
菓子パン、チョコのパッケージひとつでも、
「がさ、ごそ」と音が立ち、開封じたいが至難の業です。

また、途中のインターチェンジでの
休憩時間は、15分程度なので何か食べてくる、は不可能です。

初めて乗った時に、
うどんくらいは…と内心思ったのですが
そんなチャレンジャーはひとりもいませんでした。

チラ見した限りでは、
「水」を持って乗車する女性が多かったです。
後半に書きましたが、乾燥対策のための「水」もあるといいので、
ペットボトルの水はマストアイテムかもしれません。

 

持ち込める荷物が少なめ

持ち込める荷物には制限があります。

荷物は席の下にある
トランクルーム(貨物室)に預けて乗ることができます。
車内にも荷物を持ち込むこともできますが、
飛行機や新幹線に比べたら圧倒的に少量。

トランクルームに乗せてもらえるサイズは、
バス会社に寄りますが
感覚的に「飛行機の”持ち込み手荷物”サイズののスーツケースが限界」。
また乗せてもらえるのは「1つまで」。
スーツケースは、車内に持ち込むことはできません。

車内持ち込み荷物は、足元か、頭上の棚に納めますが
頭上の棚は奥行きがあまりありません。

奥行き30センチ程度、溝も浅いです。
お土産や、小さめのディバック程度を乗せるのが精いっぱいです。
持ち込み荷物に規定が明記されていないバス会社もありますが、
家族で2席取ってその足元に置く、ならまだしも、
ひとりで大荷物は現実的ではないです。

もしかしたら、事前に電話で相談などすれば
その便がすいている場合のみ、多少考慮してもらえるかもしれませんが、
(ただし、有料・無料の別はわかりません)
規定を超える大きなスーツケースや
スキー板など長いものを持って乗車しようとすると、
乗車時に拒否されてしまう可能性もあるようです。
(一部スキーバスなどを除く)

思いがけず、お土産がいっぱいになってしまった!という場合は
宅配便で送るのがいいかもしれません。

 

トイレ問題

「何時間も、トイレに行かれない」
ということに不安がある方は、トイレ付きのバスがおすすめです。

なお、夜行バスのトイレは、揺れますので、
男性でも「座って用を足す」ようにと注意書きがあります。

顔を洗ったり、歯磨きをするのには向きません。
それは、直前のインターチェンジで
ごく軽く済ませるか、到着してからどこかで洗顔するようにしましょう。

バス会社によっては、予約時に、
近隣のスパなどの割引購入ができることもあります。

 

外は見えません

側面の窓は
カーテンでふさいでありますので、
外の風景を見ることはできません。
また、スマホも気軽に使えないので「現在地」もわかりません。

発車すると、光がささないよう
前面もカーテンで覆われますので
「外が見えないと酔うかも」という不安がある方や、
締め切った空間だと不安になるという方は、
夜行バスはやめておきましょう。

 

隣人問題

「2列×2列」のタイプのバスに
一人で乗車すると、隣席の人と
「はじめまして、一晩よろしくお願いします」状態となります
(実際には会釈する程度で、会話はしませんが)

お隣さんが、いびきをかくとか、
もぞもぞと良く動くといった場合は
ちょっと快適さがマイナスされるかもしれません。

私は自身が寝相がよくないので、
念のため、そういう意味でも3列派です。

私が乗ったバスに限って言えば、
「2列×2列」だと、後方が女性用なことが多く、
隣人が異性になることはなさそうでした。

彼氏や彼女と乗る、という場合は
異性同士でも、予約時にお願いすれば、
考慮してもらえることも多いようです。
ばらばらに予約せず、一度に予約するのがいいと思います。

3列独立シートの場合は男女混合ですが、
仕切りのカーテンがあるので
隣が異性でも特に気になることはないです。
(隣が誰か、よくわからないことも…)

 

乾燥する

飛行機も乾燥しますが、
夜行バスも、かなり乾燥します。

コロナ対策でこれまで以上に換気をしているからかもしれません。

エビアンのような、シュー―ッ!と音の出る
ミストタイプだと、音が響いて
周囲に水分も飛び散るのでNGです。

トイレに持って行って
ちょっとひと拭きシュッとすることもできそうですが
面倒ですよね。自席で解決したいです。

 

濡れタオルでの加湿も考え、
前席の出っ張りにひっかけてみましたが…

バス内のエアコンは、
各席で風の流れを感じるようなものではなかったので
タオルが乾く様子もありませんでした。
加湿効果は期待できなさそうです。
むしろ、雑菌が発生して嫌な臭いでもしたら…と気になるくらい、びしょびしょのままでした。

また、自分を客観的に見て
濡れタオルを「乾かすためにバス内に干しちゃう」
変な人にも見えかねない...と気になったので、
やめておいたほうがよさそうです。

飛行機同様、バスの乾燥対策には、
暗闇でもサッと使える化粧水の
ボトルなどを持って乗るといいと思いました。

私は、普段使いの「シカジェル+水」でしのぎましたが、
乾燥対策のために美容液を何度も塗ると、
だんだんべたべたしてきますので、
さらっとしたものか、水分の多いものがよさげです。

のどを保護してくれる「濡れマスク」を
乾燥対策としてつけて乗るのもいいかもしれないです。
マスクの内側にポケットがついていて、
濡れたシートを入れて使うものです。
ちょっとお高いだけあり、10時間ほどは効果が続くのだとか。

この濡れマスクについては、
安く自作しよう!とたくさんの人が
ブログなどでチャレンジしていました。

不織布マスクの下半分を濡らす
マスクを2枚にして間に濡れたティッシュなどを挟む
ガーゼや布マスクの下半分を濡らす

などなど。みなさんすごい!
自作でも1~数時間はもつようですよ。

私もバス以外の機会で「自作濡れマスク」を
やってみたことがあるのですが(2枚重ねで間に挟む方式)

出来心でハッカ油やアロマオイルを
一滴たらした水で試したところ、
濃度を間違えると刺激が鼻を直撃するため、
旅の場合は純水が無難と思います。

普段使いなら、風邪予防にもいいと言われるティーツリーなどはおすすめですよ!
(超~薄めて、がポイント)

何度も濡らすことで雑菌が気になる方は、
マスクを頻繁に替えて濡らし直すなどで対応しましょう。
目に近いので、雑菌が目に入って
結膜炎やものもらいになったりしても嫌ですし。

また、のど飴もあるといいですが、
「がさごそ」音が目立ちますので
ひとつひとつ「フィルムの個包装をむく」タイプより、
ミンティアのような、タブレット系のほうが音が静かかなと思います。

 

疲れる・翌日少し眠い

同じ距離を移動するなら、
新幹線や飛行機のほうが、当然ラクです。
とにかく時間はかかります。

バスはなぜ疲れるか

何度か乗って、そのたびに印象がまちまちですが、
混雑ぶりと「席との相性」が大きい気がします。

バスにより、シートの「倒せる角度」が違うので
深く倒せれば倒せるほど「よい」かと思っていましたが
ある程度倒れれば、あとは水平でない限り
「ほぼ同じかも?」と感じます。

深く倒せさえすれば
いいというものでもなさそうで、
(倒しすぎると、前の席の人の頭が見えることもありました)
むしろ、角度やシートの硬さは好みによる気がします。

また、フットレストがついていたり、
足元が深くなっているものなどもあります。
(前席の下側に足を延ばせる「スペース」が作られている)

こればかりは、乗ってみないことには…というのが正直な感想です。

また、すべての夜行バスにいえることですが、
ネックピローはあったほうが快適さが格段に違います。

膨らませるビニールのタイプ以外に、
クッションタイプなども最近は100均で買えます。

風船式、クッションタイプを2種試しましたが、
個人的にはヨギボーのような
ビーズの入ったタイプが気に入りました。
セリアで110円で買うことができました。

かさばるのが嫌な場合は、膨らませるタイプ一択です。
ビニール素材そのままだと
汗ばんだりしてイヤ、という場合は
首や顔が当たる部分にミニタオルなどを挟むと快適。
空気量でちょうど良い加減にできるのもポイント高いです。

スマホをどうしても見なければならないとき

 

夜行バスは、
前や斜め前の席の人が
スマホをいじると、ぴかーん。と光が射します。
私は気になりませんでしたが
そういう光が苦手な方はアイマスクを持参しましょう。

夜行バスの常識なのでしょうか、
パーカーを前後逆に(背中が前に来るように)着て
フードを顔にかぶせて寝ている方が割といて、
真似してやってみたら、個室感が出て面白かったです。
夜行バスハックですね。

会社や家族との連絡などで
どうしてもスマホを見なければならない場合は、
私は、光を遮るケース(ポーチ)などに入れて斜めからのぞき見たり、
スマートフォンを「ナイトモード」
「リラックスモード」「モノクロ」などにしてみました。
長時間は厳しいですが、だいぶ光が抑えられます。

通話は避けたいです。
緊急性のあるもの(取引先から急ぎの確認など)なら、
手短に済ませ、周囲に「すみません」と一言いえば
おさまるかもしれませんが、
会話は周囲の方に筒抜けで聞こえてしまいますので、注意しましょう。

 

夜行バスのススメ・のまとめ

 

高速夜行バスについて、
個人的なメリットデメリットをまとめてみました。

「もし隣が空席なら、広々乗れてラッキーだから」という理由で
4列のシートタイプのバスしか
選ばないという知人もいますが、それは運しだい。

ゆったり乗りたいとか、体の大きめな方なら、
やはり3列(2列)独立シートがおすすめです。

また、4列(2席が連続しているタイプ)なら
2席予約して一人で乗車するとか、
2席確約タイプのプランを選ぶことも可能です。

それでも、長距離なら、
たいてい、新幹線よりは安いのではと思います。

人の気配があると眠れないとか、
腰痛があるから座りっぱなしはダメという方には不向きです。

疲れることは疲れる…もあるので、
片道は新幹線にしたり、で調整がおすすめです。
家族にちょっと豪華なお土産を買って帰れますよ。

アイマスク、使い捨てスリッパ、
毛布の貸与はバスによりまちまち。
ネックピローは、持参しましょう。
旅先の100均などでも手に入る可能性は高いですよ。

この秋、旅に出ようかなあという方は
夜行バスも選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。

 

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