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【10歳→7歳も?】子連れで銭湯に行くなら「混浴の年齢制限の変更」に注意

2022年11月20日

公衆浴場の年齢制限

令和3年から4年にかけて、
「公衆浴場での混浴の年齢制限」を
「7歳以上(は混浴NG)」とする自治体が増えました。
(全自治体ではないです)

厚労省が調査研究した
「子どもの発育発達と公衆浴場における
混浴年齢に関する研究」という研究の結果を踏まえて、
混浴の制限年齢の目安が変わったためです。

これまで割と多かったのは「10歳以上はダメ」というもの。
そこから考えると相当な引き下げですね。

男の子はママやおばあちゃんと。
女の子はパパやおじいちゃんと。

たとえば東京なら、令和4年1月1日以降、
埼玉県は令和4年10月1日以降は
「7歳以上の子とは混浴禁止」となっています。

公衆浴場の混浴制限年齢が引き下げられます - 埼玉県 より転載

関東なら、群馬県(10歳)、千葉県(規定なし)を除く
茨城・栃木・埼玉・神奈川・東京が
現在「7歳以上はダメ!」に該当します。

先日スーパー銭湯に行って、
掲示のポスターをみて知りました。

 

7歳以上。7歳は含まれるの?

「○○以上」「○○以下」は、
その数自体も含みますから
7歳以上はダメ=7歳はダメ、となります。

電車の料金や入場料などだと、
「就学」「未就学」という区別を使って
学年の区切りで分けることもありますが、
公衆浴場については「○歳以上」としかありませんので、
書いてある通り読み取るなら、
その年の誕生日が来たらダメということになりますね。

「7歳」は、小学校1年生になってから「迎える」満年齢。

なので「小1は親と混浴で銭湯に入れるか?」といったら、
「7歳の誕生日より前ならOK」
「過ぎたらそれ以降はダメ」となるのでしょう。

参考:

自転車の子供乗せの年齢制限も、
都道府県によって規定が異なります。

年齢は「6歳未満(=6歳はダメ)」と
「小学校就学の始期に達するまで」が混在しています。

これは、日本全土で共通の「道交法」にプラスして
地域ごとの気候や特徴にあわせて
微細な部分は「○○県道
路交通法施行細則」といった形で補足されているからです。
自治体ではなく、警察の取り扱い分野ですね。

こちらは銭湯とは逆で、
この数年で「6歳未満(6歳の誕生日まではOK=5歳まで)」から
「小学校に入る直前まで」と「引き上げ」変更した地域が多いです。

子供乗せの性能が上がったことと
「幼稚園・保育園に送迎する期間(=小学校に通うまで)は必要」という判断の結果のようです。

都道府県ごとの混浴の年齢制限

(令和4年10月31日時点の情報です)
(発表上は「規定なし」となっている県も、独自に規定してあることがほとんどです)

公衆浴場の混浴の
年齢制限
北海道※ 7歳以上
東北地方
青森県 7歳以上
岩手県 7歳以上
秋田県 7歳以上
山形県 7歳以上
宮城県 10歳以上
福島県 規定なし
関東地方
茨城県 7歳以上
群馬県 10歳以上
栃木県 7歳以上
埼玉県 7歳以上
東京都 7歳以上
神奈川県 7歳以上
千葉県 規定なし
中部地方
新潟県 規定なし
富山県 7歳以上
石川県 7歳以上
福井県 7歳以上
山梨県 7歳以上
長野県 10歳以上
岐阜県 7歳以上
静岡県 10歳以上
愛知県 8歳以上
近畿地方
三重県 7歳以上
滋賀県 8歳以上
京都府 7歳以上
大阪府 7歳以上
奈良県 規定なし
兵庫県 10歳以上
和歌山県 7歳以上
中国地方
鳥取県 8歳以上
島根県 規定なし
岡山県 10歳以上
広島県 規定なし
山口県 規定なし
四国地方
徳島県 7歳以上
香川県 10歳以上
愛媛県 7歳以上
高知県※ 7歳以上
九州地方
福岡県 7歳以上
佐賀県 規定なし
長崎県 7歳以上
熊本県 8歳以上
大分県 7歳以上
宮崎県 8歳以上
鹿児島県 7歳以上
沖縄県 7歳以上
「※」は今後施行予定
指定都市・中核都市なども都道府県に準じます

 

年齢が達していても、小さければOKか

スーパー銭湯などで、
身長制限のパネルで
入場を規制しているところがありますよね。

「この線を超える男の子はこっち(男湯)だよ」
「この線を超える女の子はこっち(女湯)ね」

などと、子供にも読めるように
平易に書かれたパネルです。

うちの子は小柄だから
年齢を超えていても、この線を超えなければいいという意味?と
思ったことがありますが、これはダメみたいです。

身長制限は地方自治体が定めた規則ではなく
「浴場独自の決まり」なのでした。

法令上は7歳になったらダメ、
施設のルールは、プラスで
(それより低い年齢でも)決めた身長を超えたらダメ。となります。

 

やぶると法律違反になるの?罰則は?

身長制限は、公衆浴場側の独自ルール。
やぶったとしても法律上の罰則はなさそうですが、
お店が必要だから設けたルールなので、守りましょう。

施設側だって、願わくは制限は多く設けずに
気持ちよく入ってもらいたいと思っているはずです。

お母さんが息子を連れて入りたい事情も
その逆も、わかったうえで、
制限しなければならないというのは
それほどに、周囲からの苦情があったり
疑問の声があがるのだということでしょう。

お店側に注意されても聞き入れることがなかったら、
次回からは入店を拒否されてしまうかもしれませんね。

年齢については、
地方自治体(都道府県や市区単位)で定めた法令ですが、
罰則の対象は、どちらかというと営業者。

決めたことに対して、要な措置を講じないで、
違反すると懲役や罰金刑になる可能性があります。

普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、
その条例中に、条例に違反した者に対し、
2年以下の懲役若しくは禁錮、100 万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けること ができる。

地方自治法「3章14条の3」より

安全や衛生、水質などのほかに
「風紀」という守るべき項目があります。

子供を連れて異性の湯に入る「年齢制限」については、
その「風紀」の項目にも大きくかかわります。

参考

公衆浴場の運営に当たっては
風紀を乱さないために
「性的なものを想像できるものはできるだけ排除しなければならない」というものがあります。

これは、旧トルコ風呂(名称が変わりましたが、風俗サービス店)と
公衆浴場をはっきり分けるために設けられたもので
「いかがわしい写真などを掲示しちゃダメ」
「必要以上に露出の多い制服を従業員に着せちゃダメ」などのルールです。

公共の「浴場」なので、
老若男女問わず、安全に清潔に、
そして健全に楽しめる施設でなければならないわけです。

「7歳と10日の息子さんを女湯に入れましたね!」と
利用客が通報されることはないと思いますが、
だからといって、やぶっていいというわけではありません。

年齢が大きく引き下がった理由には
識者が行った調査・研究結果が反映されたもの。

最近の「子供の心身」の成長ぶりにもあわせて変更されたものなのでしょう。
子供の「身」=からだ、だけでなく
「心」の成長も十二分に考慮されたものなのがポイント。
お子さんのためにも、しっかり守ったほうがよさそうです。

子供であっても混浴NGの理由

 

私見も混じえつつ、掘り下げてみました。

子供自身がイヤ ~心身の成長の時期だから~

幼児と青年期(思春期)との境目を「児童期」と呼びます。

児童期はおおよそ「7~10歳」頃と言われていて、
男の子も女の子も、
徐々に体つきが変化してくるころです。
子供によっては、早々に「異性」を意識し始めることもあります。

まだ小さいんだから、いいだろう…と
親は何気なく思っても、
お子さん自身が自分の性別とは違うお風呂に入ることを
「いや」と思うかもしれません。

見たくない、見られたくない

「見られたくない」のは子供ばかりではないですよね。

相手が子供であっても
「異性に体を見られたくない人」
「異性の体を見たくない人」は多くいそうです。

また「異性の(同世代の)子に、我が子の体を見られたくない」という
親御さんも多そうな気がします。
どちらも、目のやり場に困ったりしますよね。

 

外国人観光客問題 ~文化の違い~

「男女を分けて、全裸で大きな湯船に入る」というのは
世界共通の常識ではないようです。

スパは男女取り混ぜで「水着着用」で入るのが一般的だ、という国や、
湯船に入る習慣そのものがほとんどない国もあります。

そういった観光客が
せっかく訪れた観光地などで「面食らう」というのもあるようです。

全裸で入らなければならないルール自体が「?」なのに、
そこに「異性の子」がいたら「は?」となりますよね。

また「男女で分けている」にも関わらず
女の子を男湯に、男の子を女湯に連れ入れるというのは
捉えようによっては「え、虐待?」と感じる価値観もあります。

異性の児童の裸、というものに
ナイーブな反応をする国も多いです。

そういった文化のズレを修正する意味でも
「10歳まで」ではなくて
「7歳まで」なのかなあ、となったのかもしれませんね。

 

混浴の温泉場はいいの?

 

けれど、ここでふと疑問が。
義実家に帰省するとよく遊びに行っていたのが青森県の酸ヶ湯温泉。

ヒバでできた大きな湯船は
「千人風呂」と名付けられていて
こっちが男、こっちが女、という立札の境界線と
ごく簡単な柵があるのみ。

全裸で入ってもかまいませんし、
湯あみ着というフェルトっぽい(実際には不織布のようです)
長めのタンクトップのようなものを着て入ることもできます。

時間帯で「女性専用タイム」があったり、
別に「女湯」「男湯」もあるので
100%混浴の施設とは言い難いのですが…

これは、いいの?

明確な答えはわかりませんでしたが(ゴメンナサイ)、
環境庁(東北地方環境事業所)が
「10年後の混浴プロジェクト推進のための調査」というのを定期的に行っています。

混浴の抱える問題点をできるだけ解決しながら
残すための実証実験を行い、
「混浴」を文化として残そう、
そのためにどうしたらいいだろう?という実験や取り組みのようです。

その環境庁によると、
いまも混浴温泉が残っている理由は以下のようなもの

・立地(自噴している場所に作った)
・技術的な問題(硫化水素などが出ているため仕切りがしづらかった)
・地域や湯治場の交流の場となっていた
・観光資源のシンボルとして残したい

また古い建物には建築物としての価値があり、
「混浴」という概念自体も、
抱えた問題をクリアできれば
トランスジェンダーにも配慮できる
といったニュアンスのことがかかれていました。

衣類を着て入浴なんてお湯が汚れそう!とか
着衣のままでは洗った気がしないという意見もありそうですが、
そもそも、混浴で湯治をするような温泉場には
石鹸を使うような洗い場がないことも多々。

それに、泉質によっては泡なんか立ちませんよね。

体も髪もソープで洗う「お風呂」として考えず、
浸かって楽しむ温泉と割り切れば
海外のように水着や専用着で入るのも、楽しそうです。

まとめ

 

各都道府県の定める
「子供の公衆浴場での(性別と違う湯に入れる)年齢制限」が
令和3~4年の間に大きく変わりました。
令和4年10月末の改正の時点では
多くの都道府県で制限を「7歳以上は入っちゃダメ」となりました。
(公衆浴場の混浴年齢を定める条例)

7歳は「小学校1年生のときの満年齢」です。
7歳以上はダメ=7歳はダメ、なので
厳密には「7歳の誕生日の前の日」までとなります。

個人的には「すこし早いのでは…」という印象もありますが、
子供の心身(体も心も)の成長を考え、
識者の調査などを経て設定された年齢なのだそうです。
もちろん、全都道府県がそれにならっているわけではありません。

子供を連れての混浴に
はっきり年齢が規定されるようになったのが
いつからかは不明ですが
公衆浴場法(昭和23年施行)以降だと思います。

それ以前は…たとえば明治時代。

ペリーらが来航した際に
日本の混浴風呂の様子を見て
「なんというイヤらしい民族なんだ!」と驚愕したことで
いっとき「混浴禁止令」というものがあったらしいです。

嫌がる人、困る人がいるからこう変えましょう、ではなく
100%「諸外国に配慮した」忖度からなら
聞き入れる人も少なかったでしょうね。
無視したり守らない施設も多く、結局うやむやになって消えたようです。

今回の改正では、地域によっては
唐突に3歳ほど年齢が引き下げられたことになります。

お母さんが7歳の男の子とふたりで訪れて
「あなたはあっちね」は果たして、全7歳児に通用するか?

石鹸などで滑って転ばないか、
のぼせてしまわないか、
何かしら人様を困らせていないか、
目を離すことになり、安全は確保できるか…などなど…

わが胸に手を当てて振り返ってみると
「いや、無理無理無理無理」と思えてなりませんが…

ペリーへの忖度ではなく
「お子さん自身の心身のためにも」とありますので、
自宅のお風呂で練習して
「独りでもできるもん」の準備を進めるのがよさそうです。

初めての一人銭湯で、
お子さんがお怪我をしないよう、心から祈りつつ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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