親に反発する。
暴言を吐く。
無視する。
これまで普通にできていた「家や学校のルール」を無視する…
ザ・反抗期!
ふたりの子の反抗期を乗り越え
(実際には乗り越え切れておらず継続中?)
あれれ?
この子達、どっちも反抗期っぽいけれど、
片方は文句ばっかり言っていてよくケンカになるけれど
片方は主張もせず、だんまり…
反応が違う…?
そこから
「そもそも、反抗期とは何ぞや?」と思いました。
人生には反抗期が2回来る
人生には、
反抗期が2回くると言われています。
最初に来るのが、
幼児のイヤイヤ期でもある「第一次反抗期」。
次が、青年期に来る「第二次反抗期」。
一般には、第二次反抗期を「反抗期」と呼ぶことが多いです。
第一次反抗期
お気に入りのパジャマを着て外出すると言い張ったり、
晴れでも長靴を履くと泣く。
気に入らないおかずには絶対手を付けない。
とにかく泣きわめく。
なんでも自分でしたがるけれど、
歯磨きなどはしてくれない。
あれもイヤ、これもイヤ!と、とにかく自己主張。
成長のあかし…と思う反面、
お世話をする方はとにかく大変。
第一次反抗期
精神発達の段階で、自我意識の成立によって、
親や大人のいうことをきかなくなる最初の時期。
二~四歳の幼児期にあらわれる。第一反抗期:日本国語大辞典より引用
第二次反抗期
そして、次に来るのが、
多くの子?に、
小学生高学年から中学生くらいで訪れる
青年期・思春期の「第二次反抗期」。
青年期の自我意識の発達によって、
親の言うことや目上の人の言うことをきかなくなる時期。
二、三歳の幼児にみられる第一反抗期と区別して呼ばれる。第二反抗期:日本国語大辞典より引用
「大人になる前段階の青年期」に起こるものです。
中学生にもなれば、
先輩・後輩という上下関係や
規則を窮屈に思うようになり、
また異性との関係にも悩むお年頃。
親の知らない世界ができてきます。
親にとって、子どもの反抗的な態度も
自分が知らない世界を持って、それを隠されることにも
モヤっとしたり気がかりだったり、
単に態度にイライラしたり。
反抗期は「いつ終わる?」
幼児期の反抗期が2~4歳なのに対して、
青年期の反抗期が訪れるときは
小学校高学年あたりから、遅いと高校生・大学生など
「個体差」ありで、ばらばら。
また、反抗期が来ていても、態度や表に出ない子だと
親が「反抗期だった」と感じない時期もありそうですし、
双方ともに「反抗期」を感じずに
過ぎ去ってしまうこともありそうです。
何をしたから反抗期、
何を考えたから反抗期、
何をしたから反抗期終わり…
と、きっちり線引きすることは難しそうです。
育児本なども「成長に伴い終わる」と、
やけに曖昧なことが多いです。
1年程度で終わり、長くて数年、といった概念もなさそうです。
難しい理論も書いてあるような本だと
「社会のルールを覚え、納得して受け入れた時」
「親に受け入れてもらえたと感じた時」
「親と自分の違いを互いに認識して尊重しあえた時」
こんな感じで、正常な反抗期は終息を迎えるとあります。
これも、親の立場から言えば
「お互い尊重しあえたね!」
「では、反抗期終了!」と言葉を交わして宣言するものではない以上、
「子供は納得したのかしら」という気持ちも微妙に残りますが、
尖った反抗的な態度が和らいで来たら
その子なりの卒業、という感じなのでしょうか。
※中には、大人になってから反抗期が来る!という
ケースもあるようですが、
「30歳過ぎての反抗期」などのケースは、ここでは除外しています。
反抗期は重要っぽい・・・でも、ネーミングが悪いと思う
反抗期は、成長の途中で
「自我が芽生えた子供の気持ち」と
「親が子供に対して期待する気持ち」
「こうであろう」という価値観の相違が
大きくかみ合わなくなったときに起こる衝突らしいです。
幼児期のそれも、青年期のそれも、
子供が次のステップに向かって成長し
自立するために必要なモノ。
幼児期に起きる反抗期、イヤイヤ期は、
甘えも込みの大人への反抗や
「自分で決めて、自分でしたい」という自我の芽生えによるもの。
かたや、
保育園や幼稚園といった「親がいない世界」に
子供を送り出すためには、教えることもたくさん。という親の気持ち。
スイミングなどの習い事、食育。
お手伝いひとつとっても、子の主張とのかみ合わずです。
だから衝突してしまうんですね。
思春期の反抗期は、幼児期のそれとは少し違います。
あまりまくったエネルギーを持て余す時期でもあり
とにかく、先生や親の言うことは面白くない。
構われたくない。
でも、未成年ですし、お金もないし、ごはんも食べなければならず、
本気で突き放されて放っておかれるのは困る。
わけもなく逆らってみたくなったりもします。
早い子なら
「自分とは何だろう」
「どう生きる、すべきか」といったことも
漠然と考えはじめる時期でもあり
完璧だと思っていた親の言動に対しても
疑問を抱いたりするようになります。
それまで「主従」「上下」に近かった
親子関係が「対等・同等」になってくる時期でもあります。
そのいっぽうで、まだ未熟な「子供」であるのも事実。
親からの愛情を感じていないと、不安になってしまう
矛盾したような、多感な時期でもあるのです。
反抗。
「抗う」いうネーミングは「親から見た」もの。
腹は立てども育児は放棄できませんから
そういう名称になったのでしょうが、
いっそ「衝突期」みたいな
より対等な名前にした方が、
互いにわかりやすいのでは?と思ったりもしました。
反抗期がないとよくないのか
自分は「反抗期がまったくなかった」という大人もいます。
親が怖かったから、という人もいれば、
私は親と仲が良かったから、という人も。
あるいは、私と同じように
「何が反抗期」っていわれると、よくわかんないけど…という人も。
反抗期がないと良くない、
あとで反動があるとも聞いたことがありますが、
そもそもの「反抗期」が人それぞれなので
捉え方次第ともいえますよね。
親が思う、また子が思う
「反抗期がない・なかった」とされる親子関係には、
こんなケースがあるのではないでしょうか。
1 親と子の関係が対等である
親と子の関係に「主従」「上下」関係がある場合。
子供が対等の関係に近づきバランスが崩れた時、
親の考えに違和感や異論を感じた時に
軋轢が生まれる気がします。
もともと対等(か、それに近い)な関係を築けていれば、
子どもは自由に意見を言えますし、
親もそれを「自分の価値観」とは別に
一人の個人の意見として受け止めることができるので
親に反抗する理由がなくなります。
互いが依存せずに精神的に自立できて、
同等の立場となっていけば
反抗期がなくても、問題がない気がします。
一見ベストな関係にも感じますが、
「対等」「受け入れて尊重している」と思っているのは親ばかり。
という可能性もゼロではありませんので、難しいなあ~と思いますが。
2 反抗期であることに親が気付いていない
反抗期の質、内容、時期は個人差が大きい。
言葉遣いが荒くなることや
親に対して「言動」で反発するだけが反抗期ではありません。
実は反抗期は来ている、来ていたのかもしれません。
表情や言葉にも出さない子も、
感情を言動に表せない子もいるため、
「ちょっと機嫌が悪そうだな」ということが続く時期や
「元気がないな」
「声をかけても反応がうすいなあ」、
それが子どもにとっての反抗期という可能性もあります。
自分の時はこうだったから、
一般的にはこうだろう、などと決めつけずに、
子どもの変化に気付いたら、
「反抗期かも?」と考えてみると、
案外反抗期はきていたのかもしれません。
3 親の束縛や支配が強く、反抗できない
自分の考えや不満、思いを伝えたり、
反抗的な態度をとったとしても、
親が、頑なにそれを認めない場合。
「親=絶対で正しい」と主張を聞く耳を持たなかったり
本人なりの考えを論破してしまったり。
一方的に金銭的・罰則的なペナルティなど与えてしまうともはや虐待。
こんな環境だと、
子供は何も言わなくなってしまうかもしれません。
大人になってから思えば、
どうでもいいようなことに
わけもなく反抗してきたな…という記憶はありませんか?
それを力関係ありきで
否定されるのであれば、
反抗せずに親の言う事を聞いておこうという考えになりますよね。
こういう場合、経済的に独立して自立したら、
話し合い、確認しあうことなく
物理的に親から離れてしまい、そのままになってしまうケースもありそうです。
4 悪い意味で友達感覚になっている
親子の関係は、
同等もしくは、親が少し前を歩くくらいが理想的らしいです。
が、子供の主張する内容を吟味もせず
意見も言わず、無条件で許容するのは、
ちょっと待って!と言いたいです。
悪い意味での友達感覚?我が家の場合
我が家のかたっぽの子は
このパターンだった気がします。
こんなことを言われたことがあります。
「好きに考えて決めなさいって無責任」
「聞いていない・考えてはくれていないと思っていた」
そんなつもりはなかったのですが…
子供に教えてきたルールの中で、特に大切なこと。
「命や身体の危険に関わるもの」
「他人やお店などに迷惑がかかる行為」
「自分より小さく弱いものへの圧力や暴力」
こういったものは
「問答無用でダメ!」としてきました。
それ以外なら「まあ、いいんじゃない?」というつもりでいて
心の底に「何度も言わずとも、そういったことはしないであろう」という
根拠のない思いがあったのだと思います。
それこそが信頼の「つもり」ではあったのですが…独りよがりだったのかも。
働く傍らで、短く答える私の姿は
子どもにとっては「面倒がっている」
無関心・聞いていないという態度に見えていたようです。
子供の意見に対して
「いち個人の私」として
「私はこう思うな」
「でも、あなたが決めたなら、それも考えね」
「責任は自分でとれるのかな?」などの会話、
大切なステップを飛ばしてしまっていたのかなと思います。
「いいんじゃない?」の一言で
「自分は信頼されている」と感じる子供もいれば、
「自分は大切に思われているのか?」と感じたり
「聞いてもらえない」という気持ちになったりする子供がいるのですね。
反抗期がこない?
反抗期がない?
来ないと感じる?
子供が自己主張したり
自己表現することなく、大人になってしまうのなら
親としては心配でもあります。
親や大人の側から、
強引に反抗期を起こすこともできませんしね。
将来、大人として生きていくために
成長する大切な機会なら、
子どもをしっかりサポートしたいものですが…
どうしたらいいのか難しいですよね。
親のエゴで考えを押し付けることや
反抗させない環境を作ってしまったり、
逆に面倒くさいと放置し「すぎ」たりすると、よくないようです。
反抗期がない(ように見える)子どもに対して、
ものごとをどう考えているのか?
どうしたいと思っているのか、
「あなたはどう思う?」や
「どうしたらいい?」などの声かけや働きかけを心がけてみるのはいいかもしれません。
また、親自身も自分を振り返って考えてみて
「過保護になっていないか?」
「子どもを放任しすぎていないか?」など
自問自答してみることも大切かもしれません。
反抗期の感情が親以外に向いてしまう?
大人になりきれていないケース?
夫や妻が、
配偶者に対して反抗期のような状態になり、
相手が対応しきれず、離婚してしまうとか。
逆に、優柔不断で
何も自分で判断できずに、
常に配偶者の言いなりで愛想を尽かされるパターンとか。
結婚しても親の意見が最優先で
自立心に乏しく、依存が終わらないとか。
道の形は様々でも、
反抗期は必ずやってきて、誰もが通過する道なら、
自分を押し殺したまま大人になってしまうと
すべきでない相手に感情をぶつけすぎてしまったり、
衝突を乗り越えたり、主張や交渉をするのが苦手な大人になってしまうかもしれません。
必要なのは
「反抗的な態度の時期がくる」かどうかではなく、
「親は親、自分は自分」として
自分の考えが持てて、行動に移せる、
そんな成長ができることなのかな、と思いました。
まとめ
子どもにとって反抗期は、大人の階段を上る第一歩です。
赤ちゃんが自分に気が付くのは
だいたい「生後4か月頃」と言われています。
親の顔をジッと見たり、
自分の手足の指さきをジッと見たり、口に入れてみたり。
そうやって「自分」がいて「自分以外の存在」があることに気づきます。
そこからわずか数年で、
「自分はこれがしたい!」「いやだ!」と主張できるまでに成長する。
また、さらにそこからわずか数年で
「親である自分を乗り越えて、一人の人間になっていく」姿が見られるんだ!
人間ってすごーい!と感動もののできごとです。
…なんてことは、あとから言えることで、実際のお世話は大変です。
自分も子どもの頃に通ってきた道ですし、
自分の親に対して暴言や迷惑をかけてきたなあと
振り返って、親に感謝する人も多いらしいですが、
だから、「今」目の前のこのイライラした気持ちを
軽やかに受け流せるかといえば、また別だったり。
親が「私はこう思う」と意見を述べたうえで
子供の意見も尊重でき、賛成できるのがきっとよいのでしょうが、
これもまた「言葉で言うのは簡単なんだけどね~」という話。
反抗期の子供と、どうやって
じっくり腹を割って「語り合え」というのか…が現実の声かと。
幼児期の反抗も、
小学生くらいからの反抗も、
「精神的な親離れ」への第一歩、二歩。
そして「精神的な子離れ」への第一歩、二歩なのでしょうね。
私もまだまだ修行中です。
「わかる~」と、共感してくださるようなかたが
ひとりでもいらっしゃったら、嬉しいな、と思います。
最後までお読みくださって、
ありがとうございます(^^)