学び&教育

読書の効果で脳が発達?その根拠と方法解説

2019年6月23日

読書の効果は多くの人の研究によって確かめられています。

 

子供の学業成績と読書の関係については、
東北大加齢医学研究所所長の川島隆太教授の研究結果で、
読書時間が長い子供ほど勉強ができることが示されています。

 

日常の生活における効果について
文部科学省による「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」は、
本をよく読む人の方が高い論理的能力を身に付けていることを報告しています。

 

大人についての読書の効果は、
Vergheseさんたちの研究(Verghese J, et al:Leisure activities and the risk of dementia in the elderly. N Engl J Med 2003;348:2508-2516)が、
認知症予防に効果があることを明らかにしています。

 

脳の活動を活発にしてよい影響を及ぼす「読書」について、
仕組と効果的な読書方法についてまとめました。

 

 

共感能力が上がる読書の効果!小説を読むといい?

 

 

読書で「何らしかの知識を得る」と思うと、
How To本を選んでしまいがちになります。

 

ですが、日々の仕事に役立つコミュニケーション力の基礎となる
共感能力を養うためには、「小説」が効果的です。

 

〇ストーリーを理解するときフル活動

 

小説を読み進める場合、
登場人物に関する名前から始まり生い立ちや現在の立場などの情報や、
小説の舞台となっていり情景に関する情報など、
多くの情報を脳にインプットし整理し理解しなければなりません。

 

この作業に脳は各部をフル活動して行います。

 

脳の活動が活発になると、脳細胞をつなぐシナプスも増え、
記憶力にもよい効果があります。

 

〇ボキャブラリーが増え、自然な表現ができるようになる

 

小説を読むと、
脳の中では文字から情景(視覚的)イメージを膨らませています。

 

この活動で、物語を自分の追体験のように感じることができます。

 

この追体験が、読書から得られた表現と
使い方を結び付けて覚えることは仮想的なトレーニングであり、
これにより実際のコミュニケーションの現場で
自然に使用することができるようになります。

 

脳をよく働かせて仮想体験をする。
このトレーニングは、人前で話すことの苦手感を克服したりするのに有効です。

 

 

読書の効果は大人でも期待できる?

 

 

ところで、「大人になると脳の成長はとまる」
なんてことを聞いたことはありませんか?

 

記憶力のような能力は歳をとると衰えるというものです。

 

しかし、最近では、
「脳の能力は歳をとっても向上する」

ことがあきらかになっています(NIKKEI STYLE)。

 

記憶力もトレーニングで伸ばすことができますし、
特に筋道を立てて理解する力が年齢を重ねるほど向上します。

 

そして、この「理解力」を伸ばす「経験知」は
「好奇心」とともに成長していきますし、
好奇心を保つのに、想像力が鍛えられる「小説を読むこと」が役立ちます。

 

小説を読むと、文字情報からイメージ化した情景を
脳は追体験するのは先に述べたとおりです。

 

そして、多くの小説は「読んでいてわくわくする」ように
書かれていますから(そうでなければ売れないでしょう?)、
脳は自身がつくったイメージでわくわくするのです。

 

このわくわく感は好奇心を刺激し、
追体験を効果的に経験知化するのに役立ちます。

 

 

まとめ

 

読書は脳の活動を促します。

 

これが、記憶力、理解力、共感力などの能力の向上につながっていきます。

 

ですから、理解や図解が多い本より、
「情景を思い浮かべる」作業が多い小説を読むほうが有効なのです。

 

読み方も「没頭」するようにすると効果があります。

 

また、読書は歳をとってからでも脳力を鍛えるのに有効です。

 

忙しい日々の合間、通勤時間や休憩時間を有効に使って、
読書で脳力の向上を図りましょう。

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