子育ても終わり、会社も無事に定年を迎えることとなれば、
時間に追われる生活ともさようなら。
そんな生活は、どんなに素晴らしいだろう、
と思う人はたくさんいらっしゃると思います。
でも、毎日時間に追われることのない生活は何の予定もない生活でもあります。
何もせずにぼ~と過ごしていていは本当にボケてしまいそうですし、
家族にうっとうしいと煙たがられてしまいます。
オムロンのコラムで紹介されているように、
軽い運動はボケ予防に効果があるのですが、
今まで運動したことのないインドア派の人には、
怪我の心配などハードルが高く感じられるでしょう。
そんな人におすすめなのが読書です。
活字を読んで知識を得ること以外にも、
認知症の予防など意外な効果が読書にはあるのです。
認知症予防に読書が効果的なワケ
運動が認知症予防に効果があることはよく知られていますが、
読書も効果があるのでしょうか?
Vergheseさんたちの研究(Verghese J, et al:Leisure activities and the risk of dementia in the elderly. N Engl J Med 2003;348:2508-2516)では、
認知症がない高齢者469名の方々を平均でおよそ5年間経過観察を行った結果、
読書などの知的な活動を行っている人の間では認知症の発症数が下がりました。
その理由は、読書が大脳の活動を活発にするからです。
みなさんも体験していると思いますが、
読書の最中は本のストーリーを追う他に、
文章で説明されたシーンを想像したりします。
このことで、想像したシーンなのに
大脳は実際に経験したかのように活動します。
これについてオックスフォード大学のジョン・スタイン教授は、
「読書は脳全体を使う、積極的な活動である」と述べています。
読書が習慣になると認知症予防の効果以外にもこんなことが♪
読書には認知症の予防の他にも私たちの健康によい効果があります。
よく眠れる
お休み前の読書では、静かな時間過ごすことにより心を落ち着かせます。
そして自然と目が閉じるようになります。
これは紙の本の特徴で、
タブレットやスマホ、パソコンの液晶パネルの光は
刺激となって脳を覚醒させてしまいますので注意が必要です。
実は歩くことになる
本が好きな人は、よく図書館に通います。
公共交通機関を使えば、最寄り駅からの徒歩はよい運動です。
また、本を探すとき図書館の中を歩きます。
これもよい運動になり、健康促進につながります(参考)。
長生きにつながる
アメリカで国立老化研究所の援助のもとに
1992年から12年間行われた「定年後の健康に関する疫学研究」があります。
これは、50歳以上の人を対象に、2年に一度、
電話で聞き取り調査を行うもので、3635人について行われました。
そして、読書をする人の方がしない人より、
生存率(あるグループにおいて一定期間が過ぎた時に生存している人の割合)高くなることを明らかにしています。
まとめ
このように読書には健康によい効果があります。
しかし、齢をとると
どうしても文庫本の活字のような細かな文字が見えづらくなります。
そんな人には、老眼鏡の他にも
通常の本の2~3倍の大きさの文字を使っている「大活字本」があります。
公立図書館に置かれていますから、利用してみてはいかがでしょう。
パソコンが使える人なら、紙の本をスキャナでPDFにして、
パソコン画面で拡大して読むのも楽ですね。
あなたにあった方法で読書を楽しんでみてはいかがでしょう?