日本睡眠科学研究所の調査結果によると、
私たち日本人の平日の睡眠時間は7時間程度の人が一番多く、
働き盛りの30~40代の7割が睡眠不足を感じているそうです。
他の国との比較では、2014年のOECD主要29カ国のなかで
睡眠時間の短さで2位となっています。
このような慢性的ともいえる睡眠不足は
けっしてよいことではありません。
十分な休養が取れていないことによる体に疲労の蓄積や、
脳の情報処理不足による知的活動のパフォーマンスが低下してしまいます。
睡眠不足の主な症状
睡眠不足のときに現れる主な症状を見ていきましょう。
頻繁な気分の変化
寝不足のときはなぜか怒りっぽくなりませんか?
解消されないストレスは精神を不安にし、
コルチゾールなどのストレスホルモンを増やしてしまいます。
認知機能の低下
疲れているときは頭がぼんやりした感じになります。
睡眠不足になると午前中からぼんやりとしてしまいます。
コーヒーやお茶などカフェインを含むものを飲んでもすっきりしません。
疲れやすい・かぜをひきやすい
休養が十分でないので体にだるさが残ります。
また風などをひきやすくなります。
睡眠不足による悪い影響とは?
先に述べたような症状は、
いろいろな負の影響をもたらします。
主にはつぎの3つでしょう。
人間関係の悪化
寝不足による気分の変化は、
周囲の人にとっては単なる「気まぐれ」
「気性の激しさ」にしか見えません。
これでは対人関係がうまくいきません。
健康面の悪化
睡眠不足はストレスの蓄積につながりますが、
蓄積されたストレスは自律神経の活動に影響します。
そのため代謝が悪くなります。
この影響を受け、体重の増加(肥満)、
血圧の上昇がおこります。
免疫システムも弱くなりがちですので、
風邪などにかかりやすくなります。
事故にあう・事故を起こす
睡眠不足に伴う脳の疲労は、
判断力・反射の速度に影響を及ぼします。
その最たる例は交通事故でしょう。
車の運転中の眠気や判断の遅れは交通事故につながります。
工場のような職場で働く人は
機械を操作間違いとか歩行時のつまずきや接触とか
機械への巻き込まれとか危険に会いやすくなります。
睡眠不足は健康面だけではなく、
人間関係や社会との関わりにも及びます。
睡眠不足を解消するには?
睡眠不足を解消する方法は、「よく眠る」ことです。
それは長時間、寝床に入っているわけではありません。
寝起きの爽快感が大切になります。
睡眠には浅い眠りの「レム睡眠」と
深い眠りの「ノンレム睡眠」があります。
寝起きの爽快感に関わるのが、
最初に訪れる「ノンレム睡眠」です。
これをしっかりとるために、
スムーズに眠りに入れるようにしましょう。
そのためのポイントは次の通りです。
- 寝所を暗くて静かにする
- 快適な温度
- 日中の適度な運動による疲労感
そして記録です。
睡眠の状態は、一人一人毎日ことなります。
日記のように毎日の睡眠の記録をとることで、
改善点やあなたにあった環境を見つけることができます。
まとめ
忙しくなるとまっ先に削られるのが睡眠時間です。
しかし、睡眠不足によるデメリットは数多くあります。
身体的な疲労だけでなく、
日中のパフォーマンスや人間関係まで影響します。
睡眠は本当に必要なものという認識をもって、
あなたのライフスタイルを考えていきましょう。