一年の間で節目として知られているのが、
- 人日(じんじつ)（正月7日）
- 上巳(じょうし)（3月3日）
- 端午(たんご)（5月5日）
- 七夕(しちせき)（7月7日）
- 重陽(ちょうよう)（9月9日）
の五節句です。
いまでは、3月3日の上巳は女の子のための
「桃の節句」の日として知られています。
桃の節句の始まりである上巳は、
３月最初の巳の日で、その昔の中国において水辺で身を清める日でした。
日本には平安時代の頃に伝わり、
「ひいな遊び」という人形遊びや海や川に人形を流して
お祓いをする「流し雛」の習慣となりました。
さらに時代が移って江戸時代になると、
上巳の節句が五節句のひとつになり、
5月5日の端午の節句が男の子の節句と合わせて、
3月3日は女の子の節句となりました。
桃の花が咲く頃に雛人形を用いていたことから、
「桃の節句」「雛祭り」として広まっていったようです。
娘の無事な成長を祈る「桃の節句」には、
旬の食材を生かした縁起の良い料理が振る舞われています。
はまぐりの吸い物やちらし寿司は代表的な食べ物ですね。
他にも、菱餅（ひしもち）、ひなあられや白酒（しろざけ）などがあります。
どの料理も食材や色に、昔からの娘を思う気持ちが込められています。
桃の節句メイン料理「ちらし寿司」！意味や具材に入れるもの
桃の節句でよく食べられる「ちらし寿司」ですが、
そのルーツは分かっていません。
一説には江戸時代に出された
「倹約令」（贅沢はダメ！というえらい人の命令）に対抗して、
おかずの品数を少なくする方法として生まれたとも言われています。
また、「桃の節句に食べる理由」も分かっていません。
取り分けて食べられるので、
家族・親戚が集まって多人数でのお祝い時に便利だったからかもしれません。
ちらし寿司の由来は定かでありませんが、
ちらし寿司は桃の節句に食べるのに相応しい食材を用いています。
代表的な食材を紹介します。
- えび：
長生き - れんこん、はす：
長くて穴が開いていて向こう側が見えることから、
この先の（人生の）見通しがきく、開けている - 豆：
健康で”まめ”に働けることとその先の成功を祈って - 卵、菜の花：
春らしい彩り
長寿・開運・健康を、生命の息吹を感じられる春らしい雰囲気で
祝うのに相応しい食べ物が「ちらし寿司」なのでした。
桃の節句で出るお吸い物。はまぐりが入っている由来は？
はまぐりは、昔から食用に用いられている貝です。
そして、はまぐりの貝殻は、
対になっている貝殻でなければぴったりと合わないという特徴があります。
これを利用した遊びが、平安時代によく行われていた「貝合わせ」という遊びです。
そして、もう一方で「対でなければ合わない」ことから、
仲の良い夫婦を表すものとされ、
一人の人と一生を添い遂げられるようにという願いを込めた縁起物となりました。
このはまぐりを食べ、
娘が一生を添い遂げられる良人と巡り合えることを祈ったのです。
まとめ
地域ごとに特徴や違いがありますが、
娘の成長を祈願する伝統的な行事が「桃の節句」です。
雛人形や振る舞われる食事にもその思いが込められています。
「桃の節句」の際には、娘さんの幸せを祈りながら、
先人たちの行為に想いを寄せるのもよいかもしれませんね。